トランスデューサの出力値を計算する方法!初心者にも分かりやすく解説!

トランスデューサ 実務・現場知識

現場の電流計の値は正常値なのに中央操作室にあるモーターの電流値を表示する指示計の値がおかしい。
そんな時まず疑うのはCT(変流器)ですが、CTの一次側・二次側の電流値は正常の場合、次に疑うのはトランスデューサやPLCになります。
でもトランスデューサの入力側や出力側の値をテスターやクランプメーターで測定しても「この測定値、合ってるの?」と不安に思うこともありませんか?

この記事では、電気保全のプロも実践しているトランスデューサの出力値が正しいかを確認する計算方法を、初心者の方でもわかるように丁寧に解説します。

記事を読めば、トランスデューサの仕様を正しく理解し、トランスデューサから出力信号が正確に出力されているか計算を使い確認できるようになります。もう測定値に悩むことはありません。

さあ、この記事でトランスデューサの計算をマスターし、自信を持って現場業務にあたりましょう!

トランスデューサとは?

トランスデューサは変換器とも言います。CTや温度計で測定した電気信号(交流や直流の電圧、電流など)を直流電圧や直流電流に変換する装置です。

トランスデューサは何のために使う?

いろいろな計測機器から出力されるさまざまな電気信号を統一した出力信号へ変換して、PLCや監視装置などに合わせて取り込みやすくします。

また、入力側と出力側を絶縁する機能があります。アイソレータとも言います。
この機能は入力側の事故で異常信号が発生した場合、出力側に影響を与えないようにします。
つまり、トランスデューサの出力側にあるPLCなどの機器を保護してくれます。

トランスデューサの仕様を理解しよう

トランスデューサの入力信号を出力信号は「比例関係」にあります。
例えば、入力側の値が増えれば同じ割合で出力の値も増える関係にあります。

入力信号:トランスデューサに入ってくる電気信号のこと
出力信号:トランスデューサから出てくる電気信号のこと

出力信号の計算式

今回は出力信号が直流電圧だった場合を想定して実例を踏まえながら出力電圧の計算式について解説します。

出力電圧を求めたいときの計算式

まず、前提条件として
入力信号を交流電流し測定レンジを0~1Aとします。
出力信号は直流電圧とし速例レンジを1~5Vとします。

$$V_{out} = V_{min} + \frac{(I_{in} – I_{min}) \times (V_{max} – V_{min})}{(I_{max} – I_{min})}$$
記号 意味 単位 説明例
Vout 出力電圧 V(ボルト) トランスデューサの二次側から出る電圧(PLCや計測器に入力される値)
Vmin 出力の最小電圧 V 入力電流が最小値(Imin)のときの出力電圧(例:1V)
Vmax 出力の最大電圧 V 入力電流が最大値(Imax)のときの出力電圧(例:5V)
Iin 実際の入力電流 A(アンペア) 計測対象の機器が現在流している交流電流の値
Imin 入力電流の最小値 A トランスデューサが測定する電流の下限(例:0A)
Imax 入力電流の最大値 A トランスデューサが測定する電流の上限(例:1A)

【実例】計算式ー入力信号がAC0.37Aの場合

トランスデューサの仕様が 一次側 0~1A → 二次側 1~5V のとき、入力が 0.37A の場合の出力電圧を順を追って計算します。

計算式を代入

まず、基本の計算式を再確認します。

$$V_{out} = V_{min} + \frac{(I_{in} – I_{min}) \times (V_{max} – V_{min})}{(I_{max} – I_{min})}$$

この式に今回の条件を代入します。

$$I_{min} = 0A$$

$$I_{max} = 1A$$

$$V_{min} = 1V$$

$$V_{max} = 5V$$

$$I_{in} = 0.37A$$

これらの値を式に当てはめると、以下のようになります。

$$V_{out} = 1 + \frac{(0.37 – 0) \times (5 – 1)}{(1 – 0)}$$

$$V_{out} = 1 + \frac{0.37 \times 4}{1}$$

$$V_{out} = 1 + 1.48$$

$$V_{out} = 2.48V$$

答え:出力電圧は 約 2.48 V

暗算のコツ

今回のように かつ の場合は式が簡単で、


「入力[A] × 4 + 1」 で即座に求められます。
例:0.37 × 4 = 1.48 → +1 = 2.48 V(現場でさっと使えます)。

他のレンジでも試してみよう!(応用編)

例1: 入力信号がAC0~5A、出力信号がDC4~20mAのトランスデューサで、入力がAC2.5Aだった場合、出力は何mAになるか?

この場合、入力はちょうど真ん中なので、出力も真ん中の12mAになる。

例2: 入力信号がAC0~10A、出力信号がDC0~10Vのトランスデューサで、入力がAC7.5Aだった場合、出力は何Vになるか?

この場合、入力は75%なので、出力も7.5Vになる。

まとめ

今回の記事では、交流電流トランスデューサの計算方法を解説しました。大切なポイントは、**「入力の範囲と出力の範囲は常に比例する」**という関係を理解することです。この比例関係をマスターすれば、仕様が変わっても同じ計算式で対応できます。

電気保全の現場では、トランスデューサの異常や機器の測定値を判断する場面が多々あります。この計算方法を覚えておくことで、より正確で素早い対応が可能になります。ぜひ、今回の記事で学んだ知識を日々の業務に活かしてください。

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